コンセプト
山梨、静岡両県民の間で「静岡県は表富士、山梨県は裏富士」という〝表裏論争〟になると、険悪なムードに包まれる場合があります。両県民とも「自分たちの方から見える富士山が美しい!」というプライドによるものですが、けんかはよくありません!
富士山の世界文化遺産登録10年、8月11日の山の日を機に、両県は表裏一体、ともに富士山を守っていこうという思いを込め、山梨日日新聞社、静岡新聞社が、同じ企画紙面を掲載しました。
紙面を読むための
裏技
この企画紙面は文章が左右反転(鏡文字)になっています。表面(ページが前の面)からは読みにくいですが、裏面にして光にかざして見ると、反転している文字が本来の形として見えるため、読むことができます。
紙面制作の裏話
今回の企画紙面では、山梨日日新聞は表面が山梨側(山梨県忍野村上空)から空撮した富士山の写真と鏡文字のメッセージ、裏面が静岡側(静岡県富士宮市上空)から空撮した富士山を掲載しています。一方、静岡新聞はその逆になっていて、表面が静岡側から空撮した富士山の写真とメッセージ、裏面が山梨側から空撮した富士山の写真です。ヘリコプターから空撮し、撮影ポイントは海抜2,000メートル、山頂を起点にした対角線上で同距離のポイントを指定し、カメラのレンズは同じ焦点距離で撮りました。つまり、お互いに真逆の位置関係での撮影です。そのため、裏から透かして見ると、富士山の輪郭はほぼ一致しています。
表面のキャッチコピーを左右反転させて掲載したのは、山梨日日新聞では静岡側の富士山の面を、静岡新聞では山梨側の富士山の面を見てもらうための仕掛けです。まずは見慣れている表側の富士山を見て、ページをめくってお互いに見慣れていない裏側を見てその美しさに気が付き、両県が一つになって富士山を守っていこうという機運が一層高まればうれしく思います。
紙面の左下に記載されている数字は撮影ポイントの緯度と経度です。私たちが伝えたいメッセージが読める、実質的な表面は裏面であることから、裏面にだけロゴ、QRコードを記載しました。