連載④保護者の就活への関わり方
電話、書類提出...子の就活代行は絶対NG
悩みの相談相手になり、ストレスを軽減
出費多い就活、経済援助など間接支援を
「びっくりしましたよ。会社説明会の会場に、学生ではなく、御婦人が座っていらしたのですから」。
私は、学生向けの就職支援以外に、企業向けに採用支援の仕事もしてきました。以前、友人の人事担当者がこんな話をしてくれました。
忙しい就活生(子ども)の代わりに母親が会社説明会に参加されたようです。友人いわく、残念ながら、学生を、この時点で落としたそうです。
「20歳を過ぎているのに自立できていない。仕事でも自立しないのではないか」
そんな不安を感じるのが人事担当者の本音のようです。
今回は、子どもの足を引っ張ることなく、家族としてどのような支援ができるかを考えてみましょう。まずやってはいけないことです。
お子さんの就活を家族が代行してはいけません。
✖︎「子どもの代わりに会社説明会や面接の予約電話をする」
人事は多数の学生と会話や電話をしています。声色や口調で、本人でないことはすぐに分かります。もちろん正直に親と名乗ったとしてもダメです。
✖︎「子どもの代わりに企業の受付などに履歴書、エントリーシートを提出する」
父親がこのような行動をされた話を聞いたことがあります。冒頭の事例と同様に結果的にお子さんの足を引っ張ることになります。
お子さんの就活自体を、家族が代行することはマイナスになるばかりです。
間接的に応援しましょう。
◎「お子さんの話を聞いてあげること」
就職活動は強いストレスをお子さんに与えます。
「面接官が怖かった」「頭が真っ白になった」「志望動機がうまく書けない」
家族が話を聞いてあげることで、お子さんはストレスの発散になります。この時の注意点はくれぐれも説教はしないことです。
「なんでそんな変な会社を受けているの?もっとましな会社にしなさいよ」
こんなことを言えば、お子さんはもう二度と話をしなくなるでしょう。
◎「経済的に支援する」
就活は意外にお金がかかります。スーツ、シャツ、靴、バッグ、腕時計、交通費やカフェなどの費用です。Uターン就職となれば、さらに新幹線、飛行機など高額な交通費がかかります。もしお子さんがUターン就職をするのであれば、交通費などは家族が支援されると良いでしょう。
このように、お子さんの「就活を代行する」のではなく、「間接的に応援する」ことがポイントになります。
福島直樹(就職コンサルタント)
長野県出身。上智大文学部を卒業後、民間企業を経て1993年から就職に関するコンサルタント業務をスタート。学生の就職相談に応じ、就職・採用に関する執筆、講演活動なども行っている。また企業の採用戦略、面接などにも携わり、就職関連のテレビやラジオ番組にも数多く出演している。