最終日の結果
甲府3連覇

 第58回山梨県一周駅伝競走大会(山梨日日新聞社、山梨放送、山梨県、県スポーツ協会、山梨陸上競技協会主催)最終日は5日、富士吉田市役所から甲府・山日YBS本社までの9区間74・5キロ(14区は中止)で行われ、初日3位の甲府が2日間合計8時間30分48秒で逆転優勝。新型コロナウイルス影響で中止となった前回を挟んで大会3連覇を果たした。3連覇は、甲府が49〜52回大会で4連覇を達成して以来。1分51秒差で甲斐Aが2位、3位には南都留が入った。初日首位の南アルプスAは4位だった。
 午前8時に18チーム(初日、途中棄権の大月はオープン参加)が富士吉田市役所を一斉スタートした。甲府は13区の馬場滉大(山梨学院大)が区間賞の快走で首位に浮上。全員が区間1桁順位と安定した走りで逃げ切った。甲斐Aは中止の前回を挟んで3大会連続の準優勝。11、17、19区で区間賞を獲得したがわずかに及ばなかった。
 感染対策のため、閉会式は実施せず、沿道の応援は自粛するよう呼びかけた。

一斉スタートする最終20区の一般・高校女子選手=甲斐市内

最終20区で区間5位の走りを見せゴールする甲府・斉藤奏絵=甲府・山日YBS本社前
 
甲府逆転光る安定感
「先行逃げ切り」ズバリ


 「絶対に逆転できる」−。「V3」への思いを胸に、甲府のランナーは走り続けた。
 初日を終え、首位・南アルプスAとの差は1分45秒。ライバルのアンカーには実力者の飯野摩耶が控えるため「終盤勝負」は分が悪い。荻久監督は「最初の3区間で追い付かなければ厳しい」と、13区までにトップに立ってリードを守る「先行逃げ切り」のプランを組んで選手を送り出した。
 スタートの11区で順位を一つ上げ、12区を終えてトップとの差を37秒に詰めた。勝利の道筋を描いたのは、13区の馬場滉大。「楽に上れて、下りは思い切って走ることができた。前日区間3位の悔しさを晴らせた」と区間賞で逆転し、トップに立った。
 首位を奪ってからのランナーの走りは力強かった。16区の小林柊は「走っているとき監督から『いけるぞ』との声があった。その声で体がよく動いた」と、区間新記録にあと6秒に迫る好走でリードを拡大。甲斐Aの猛追もあったが、中盤につくった貯金をしっかり守った。
 初日のレース後のミーティング。今大会からチームリーダーを務める望月健太主将は「逆転優勝できるぞ」と仲間に言い続け、チームの士気を高めた。描いたプラン通りの展開に荻監督は「駅伝は安定感が重要な競技。選手が期待通りの力を発揮してくれたことが優勝につながった」とランナーの頑張りをたたえた。
 連続優勝記録は、甲府と東八代が樹立している4大会が最長。来年はその記録へ挑む。望月主将は「若手を育てて、もっとレベルアップして記録に並べるように頑張りたい」と4連覇を誓った。



甲斐Aの17区・北田大起(左、区間新記録)が18区・志村悠平(区間4位)にたすきをリレーする=南アルプス市内
 
甲斐Aまたも「銀」
激走のエース「次こそ」


 16区を終えてトップの甲府との差は3分32秒。大逆転優勝を信じ、甲斐Aのエース北田大起(東農大)は一斉スタートの17区で走りのギアを上げた。
 一気に集団から飛び出した。チームの遅れを挽回しようと、前回の2019年大会で坂本智史(北杜)が樹立した区間記録(30分27秒)を上回るラップを刻んでいった。
 入りの5キロを14分45秒のハイペースで通過。残りのアップダウンが続く道のりも「優勝するためにできる限り差を詰めたかった」と力を振り絞った。29分17秒で坂本の記録を1分10秒更新し、総合順位も2位まで浮上。坂本の前に記録を保持していた東洋大の宮下隼人主将の記録も塗り替え、「尊敬する宮下さんの記録を更新できたことは本当にうれしい」と充実感を漂わせた。
 18区で志村悠平(日世)が区間4位、19区で黒木瞬(日本郵政)が区間賞。北田の後にたすきを受けた選手も最後まで諦めずに上位でつないだが、甲府の背中は最後まで捉えることはできず、3大会連続の銀メダルで挑戦は幕を閉じた。
 最後まで諦めない姿勢は「来年につながった」と堀内利満監督。箱根駅伝出場を目指して大学の陸上競技部に所属している北田は「次はもっといい走りをして優勝したい」とリベンジを誓っていた。




南都留の18区・武藤有亮(右、区間3位)が19区・後藤優(区間3位)にたすきを渡す=韮崎市内
 
南都留3位
「過去最高のチーム」


 初日2位の南都留は順位を一つ落として銅メダル。3位だった2017年以来のトップ3入りに、増山稔主将(フトンドライヤーズ)は「過去最高のチームだった。(3位の)結果には妥当との思いもあれば、初日が2位だっただけに、悔しさも感じている」と複雑な心境を口にした。
 半年前から定期的に合同練習を実施。ランニングのアプリを活用してチームで練習内容を共有し、「チームみんなで上位を目指そうという思いだった」(増山主将)と一丸となって、力を付けてきた。
 18区で区間3位と力走した武藤有亮(やよい会あだち江北メディカルクリニック)は「とにかく3位には入ろうと懸命に走った。結果は悔しいが、来年に向けて自信になった」と振り返った。
 来年、狙うのは1997年以来の頂点。長田尊三監督は「選手はよく頑張った」とたたえつつ、「ミーティングを繰り返し、さらにまとまりのあるチームを作っていきたい」と意気込んだ。



山梨日日新聞 2021年12月6日掲載

記事・写真・イラストの無断掲載・転用を禁じます。
Copyright 2021 山梨日日新聞社 THE YAMANASHI NICHINICHI SHIMBUN.